違法じゃない?個人でハンドメイド商品を販売時に注意したい4つ

違法じゃない?個人でハンドメイド商品を販売時に注意したい4つ

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近頃、ハンドメイド作家さんや個人様が
モノを作って商品化することが当たり前になってきましたね!

そこで、製品の販売に関して
「これって法律的に大丈夫?」と疑問を抱かれる方も多いと思います。(私は最初そうでした…(笑))

個人で法律をすべてを網羅して
製品化することは難しいです

(知的財産に関する法律専門の部署がある企業でも、特許侵害などで訴えられて問題になるくらい難しい分野なのです)

ここでは製品を開発・販売するにあたっての最低限知っておかなければならない法律的な知識メーカー勤務と雑貨メーカーを立ち上げた経験から、簡単にまとめました。

結論から言ってしまうと、
2次加工で使用する製品を、
自社の製品化のために使用してよいか
その販売元に聞くのが一番確実です。

製品(ハンドメイドもすべて)を開発・販売するにあたっての不安を少しでも払拭できれば幸いです。

それでは目次です♪

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合法で心置きなく
商品化したいっす!

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著作権

著作権とは?

著作権とは、簡単に言うと
他人に自分の制作物やアイディアなどを盗まれないように守る権利
です。

法律での定義は、以下です。

自分の考えや気持ちを作品として表現したものを「著作物」、著作物を創作した人を「著作者」、著作者に対して法律によって与えられる権利のことを「著作権」と言います。著作権制度は、著作者の努力に報いることで、文化が発展することを目的としています。

引用元:http://kids.cric.or.jp/intro/01.html

これを破ってしまうと著作権侵害で刑事罰の対象になることがあります。

では具体的にどのようなものが著作権で守られているのでしょうか?

著作権で守られる対象

著作権の対象は、文学・学術・美術・音楽です。

具体的には、以下です。

言語(小説や本全般)
音楽(楽曲や歌詞など)
美術(絵画や漫画)
建築
地図
映画
写真など

著作権は申請などが必要なものではなく、創作した時点で発生します。

えっ!
創作した時点で発生するの!?

私も最初驚きでした。

子供の落書きでも発生するらしいですから驚きですね!

具体的なアウトの例

製品を加工するときにアウトになりそうな事例を紹介します。

・キャラクターイラストが入っている素材を使用する。
これは最高裁の判例からですが、キャラクター自体には著作権が発生しません。

じゃあ大丈夫でしょ!?と私も最初は思いましたが
キャラクターの描かれているマンガ・アニメや小説などに著作権が発生しているので、結果的にキャラクターも著作権で保護されます。

・キャラクターを模倣する
模倣もアウトです。理由は上記と同じです。

・手芸品の作り方の本の内容に載っているハンドメイド作品を模倣して販売する。
これも本の内容を模倣しているということで著作権侵害になる可能性があります。本に「量産・販売して良いですよ!」と明記されていれば問題ないのですが、そうではない場合は出版元に確かめるのが一番確実ですね。

商標権

商標権とは?

以下、商標権の説明です。

商標権とは、商品又はサービスについて使用する商標に対して与えられる独占排他権で、その効力は同一の商標・指定商品等だけでなく、類似する範囲にも及びます。
商標として保護されるのは、文字、図形、記号の他、立体的形状や音等も含まれます。
権利の存続期間は10年ですが、存続期間は申請により更新することができます。

引用元:https://www.jpaa.or.jp/intellectual-property/trademark/

なんのこっちゃ!?
って感じですよね。

簡単に言うと、
お店やメーカーのロゴや商品のブランドデザインを真似されないように保護しますよ!
といった権利です。

私共を例にして説明します。

商標権で守られる対象

上記にもありますが、
文字・図形・記号・立体形状・音などが商標権で守られます。

一般的に世間が商標権で保護する対象は「ロゴ」が多いです。

私共を例にすると、

このロゴの文字やデザインを商標登録できます。

Magoro Laboというお店の名前・デザイン

カシコクオモシロイ雑貨の研究所というサブネーム

ペンギン(名をM郎といいます)

が守られます。

私はまだ商標登録していないですが(ブランド力がついてきたらするつもりです(笑))

大手企業では何でも商標登録しています。(the 資金力デスネ!)

大手企業の例でいえば、

トヨタのレクサス
「トヨタ」「レクサス」も商標登録済

ユニクロの極暖
「ユニクロ」「極暖」も商標登録済

などでしょうか。

 

具体的なアウトの例

商標に関しては、特に製品名やロゴを決める際に特に注意しなければなりません。

商標についての失敗談をお話しします。(笑)

私共の製品ラインナップの一つに

耳が痛くならない清潔にちょい置きできるイヤーガード「Bro.M」

があるのですが、

市場に出る前
製品名は「ALLY(アレイ)」でした。

ALLYの意味は
支える・同盟のような意味があり
マスク生活を支えるといった意味合いもピッタリで文字数や文字のビジュアル的にも

ジャストミーーーート!!!

と思い、動画・画像その他加工すべて「ALLY」で進めていました。

さぁ、いよいよあと3日で市場に投入される!血沸き肉躍るぜぇぇぇぇ!

と思ったその時
Web販売委託先の担当者様から

「商標権アウトの可能性があるので
弁護士の見解を頂きたい」

と通告メールを頂きました。顔面蒼白です。

いやいや
商標権調べてから名前決めたって!!!
と思いながら
再度ALLYで商標を調べてみると、

株式会社かんぽ生命保険様がALLYで商標登録している。。。ということを発見!

「検索結果が648件も出てきたので見落としました!」
と担当者様に報告しました。
ほんと言い訳の内容が情けないです(笑)

ここからが地獄で、
製品名を変えて短期間で動画、画像や文章などすべて再編集です!(この間、ご飯が喉を通らなかったのでプロテインとバナナには本当に感謝しています)

納期直前ヘッドスライディング提出でギリギリセーフでした…

こんな失敗をした私から一言だけ言わせてください。

製品名やロゴ(会社ロゴに限らず巷であふれる商品ロゴなども含め)
を決めるときは徹底的に調べつくしたほうが良いです!しかも製品開発初期の段階で!

少しでもん~…怪しいなと思ったら、確実に商標権を侵さない製品名に変えましょう!

調べ方は
「特許情報プラットホーム」
という「特許・実用新書・意匠・商標」を検索できる便利なサイトがあるので、そこに製品名にしようとしているワードを打ち込み検索するだけです!簡単ですよね!

私の二の舞にならないように皆さんは徹底的に調べて頂ければと思います。

意匠権

意匠権とは?

以下、意匠権の説明です。

 

まず、意匠権とは、「製品や商品のデザインについて独占権を認める制度」です。

意匠権を取得すれば、意匠権者は、そのデザインを独占的に使用することができます。

そのため、自社製品のデザインを意匠登録しておくことは、コピー商品、類似商品などの模倣品対策に絶大な効果を発揮します。

そして、意匠権は、特許庁への登録が必要な登録制の制度になっています。

 

引用元:https://kigyobengo.com/media/useful/169.html#i-2

また難しい!!

簡単に言うと、
製品自体のデザインを模倣されないように守りますよ!!!
といった権利です。

意匠権は工業用に対して適応されるので、農作物や一部の製品に対しては適応されません。

意匠権で守られる対象

製品自体のデザインが守られます。

例を出すと
ホンダのスーパーカブ(新聞配達の方が乗られているあの自転車みたいなかわいいバイクです)なんかが意匠権で守られています。

過去に、ホンダは類似のデザインのオートバイを製造して販売した企業に対して、意匠権をもとに訴訟を起こし、対象の企業に対して、7億円以上の賠償命令を裁判所が命じました。

ホンダのような大手だけではなく中小企業なども積極的に意匠権を登録しており、全体の57%を中小企業が占めているそうです。

具体的なアウトの例

・意匠権で保護されている製品を模倣した。

仮に特殊な形状の椅子があり、それが意匠権で保護されていたとしましょう。
あなたがその椅子を模倣して(意思が無くてもアウトです)製作し販売すると、意匠権を侵す可能性があります。

意匠権で保護されているデザインを類似するとアウトです。

特許

個人のアイディアを商品化

特許とは?

以下、特許の説明です。

特許とは、「発明」を保護する制度です。特許制度は、発明をした者に対して、国が特許権という独占権を与えることで発明を保護・奨励し、かつ、出願された発明の技術内容を公開して利用を図ることで、産業の発達に寄与することを目的としています。
 特許を受けるためには、発明について特許庁に特許出願をし、特許庁の審査をクリアする(特許査定される)ことが必要です。特許査定されると、出願人がその発明についての特許権を取得し、出願日から原則として20年間、当該発明の利用を独占することができます。

引用元:https://www.businesslawyers.jp/practices/299

とりあえず、発明に関する権利なのか!
ということはわかりますよね!

身近なものの具体例でいえば
カメラの自動焦点合わせ機能
長寿命の充電池
モンカフェ
がそうです。

 

モンカフェとは
レギュラーコーヒーの粉を袋に詰め、これにお湯を注ぐというものです。


インスタントコーヒーの手軽さでレギュラーコーヒーの味わいを楽しむというコンセプトで作られた「モンカフェ」は、紅茶のティーバックにヒントを得ています。

おいしさを出す秘訣は、上からお湯を注ぐドリップ方式をコーヒーカップの上で再現したところにあります!

これを実現するため、フィルターなどの構造をたくさん発明し、特許を取得しています。

 

特許で守られる対象

上記で明記した発明が、
特許の保護対象となります。

じゃあどこまでの範囲が発明なの?という疑問がわきますよね。

ここで発明に該当しない範囲を以下に記載します。(これに当てはまらなければ発明です♪)

 

自然法則自体
例.エネルギー保存の法則

単なる発見であって創作でないもの
 例.自然現象

自然法則に反するもの
 例.永久機関

自然法則を利用していないもの
 例.経済法則、ゲームのルール

技術的思想でないもの
 例.フォークボールの投球法

 発明の課題を解決するための手段は示されているものの、その手段によっては、課題を解決することが明らかに不可能なもの

人間を手術、治療又は診断する方法
 例.医療行為

その発明が業として利用できないもの
 例.学術的、実験的にのみ利用される発明

実際上、明らかに実施できないもの

具体的なアウトの例

例えば上記の例でいえば
モンカフェのフィルタ構造などを模倣して、コーヒー粉の種類を変えた。
などは特許権侵害の可能性があります。

これはモンカフェのドリップ構造に対して特許権が行使されているので、アウトの可能性は高いです。

特許に関しては企業に勤めていたころ
弁護士の方とお話しする機会がありましたが
私の技術的な話をもとに
特許の請求する範囲や項目などを
緻密に練り上げて特許庁へ申請されておりました。
法律に詳しくないと、自分で特許を取得することはできないなぁと思った経験があります。

法律に詳しくない限り、具体的にこれはアウトでこれはセーフといった線引きが簡単にできないので、

ムムっこれは特許侵害の可能性があるのでは?

と少しでも思われた方は、特許に詳しい弁護士の方に相談した方が良いです。

 

|既製品を加工して自分の製品として売り出せるのか?

この疑問は私もずっと思っていることでした。

最近見かけるのが、100均のグッズを簡単に2次加工して1000円程度でメルカリなどのフリマサイトで販売している個人様をよく見かけます。

これって大丈夫なのかと疑問に思っていました。

結論は、販売元に2次加工して売りたいんだけど大丈夫ですか?という連絡を製造元に入れることで権利を侵害して訴えられるリスクは極力避けられます。

なぜ直接連絡した方が良いかというと、
既製品の「著作権・意匠権・商標権」その他法的な権利に触れていなければ2次加工して売っても問題ないのですが、自分ですべてを調べるのは困難だからです。

例えば、
100均に売っている折り畳み式の椅子にクッションを貼る2次加工を施してから販売するパターン
を考えてみましょう!

・椅子にキャラクターデザインが描かれている場合
著作権の侵害なのでアウト

・椅子にロゴマーク・会社名や商品名が刻まれている場合
商標権の侵害でアウト

・キャラデザインもロゴマークもない場合
椅子の折り畳みの技術が特許で守られていれば、特許侵害でアウト

その他法的な権利とは不正競争防止法など他人の商品をコピーして販売することダメですよといった法律です。

これらをすべて調べることは骨の折れる作業ですし、見落としてしまうリスクもありますので、販売元に確認することが、確実で早いです。

 

|工業品を使用して製品化する

ここでいう工業品とは

ネジ
すべり止めのゴム
樹脂などの原料

など

挙げればきりがないですが
2次加工を前提としている製品(部品)の事です。

この類は基本的に2次加工販売に使用しても問題ないです。

そしてどこまでの範囲が工業品(部品)なんだという疑問もまた出てきますので、これも販売元に2次加工の確認をするのが良いでしょう。

|まとめ

ここまで読んでいただきありがとう御座います。

製品を開発・販売するにあたっての最低限知っておかなければならない法律的な知識をおさらいすると

①著作権
②商標権
③意匠権
④特許

でしたね!

そして、商標・意匠・特許権などはある程度自分で調べることは可能でした。(「特許情報プラットホーム」から検索できます。)

しかし!
法律的なところは非常に判断するのが難しいです。

確実なのは、

・商標・意匠・特許に詳しい弁護士に確認する
・製品を2次加工するなら、その販売元に確認する

でしたね!

商品化するにあたって
法律的なことは難しいですが
一つ一つ確認していけば問題ないので
この壁を乗り越え、製品化を目指していきましょう!

具体的に商品化ってどうすれば良いの!?
と疑問を持たれている方は下記リンク先にまとめています♪

 

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